「顔が見える距離で働く」という価値
とある雑誌を読んでいたとき、心に刺さった一節。
沖縄のコーヒー屋さん同士の談義の中で、コーヒー屋を開業したきっかけの一つにこう述べられておりました。
「エンドユーザーの顔が見える距離で仕事するっていうのは、めちゃくちゃいいことだと思うんですよね。昔、大手コーヒー会社で働いていた時、一日に5トンの豆を焙煎していましたが、飲む人の顔はまったく見えない。コーヒーはおいしいけど一体誰に届けているんだろうって虚しさを感じていました。」
この言葉に共感。
私は異なる業界で仕事をしていますが、「誰のために仕事をしているのか分からない感覚」。
これはまさに、業界最大手企業に転職したときに感じた違和感そのものでした。
大手企業に転職して感じた「虚無感」
中小企業から業界最大手に転職したとき、仕事内容はそれほど変わりませんでした。
むしろ、効率も仕組みも整っていて、環境としては恵まれているはず。
それでも、なぜか仕事に対する手応えが薄れていったのです。
- 誰のためにやっているのか、見えない
- 誰に感謝されるでもなく、当たり前のように処理されていく
- 自分の役割が、全体のどこにどうつながっているのかが分からない
点と線が繋がっていないような感覚。
「仕事って、こんなもんなのか?これでいいのか?」と、自問しました。
中小企業時代にあった顔の見える距離
一方、中小企業で働いていた頃は、仕事の先に誰かの顔が見えていました。
- 顧客から「助かった」と言われたときのうれしさ
- 社内でも「ありがとう」が自然と交わされていた感覚
- トラブル対応をして夜遅くまで働いたときも、誰かがちゃんと見てくれていた
人手が足りない分、忙しさもありましたが、それ以上に「自分の仕事が誰かの役に立っている」という実感が、日々のモチベーションになっていたのです。
お金以上に大切な仕事の手応え
企業規模の違う転職をしてみて分かったのは、仕事に対する感謝や反応が、自分の働く意欲に直結していたということです。
- 目の前にいる人の役に立っているという感覚
- 自分の仕事が、誰かの生活にちゃんと影響を与えているという実感
- 働く仲間同志の一体感
それは、給料や肩書きよりも価値のあることかもしれません。
まとめ:「誰のために働くか」が仕事のやりがいになる
このコーヒー職人さんの一節から、大手を離れる選択は間違っていなかったと再認識。
「顔が見える距離で仕事をする」
働く満足度を左右する価値観のひとつです。
もちろん、距離感が近い方がやりづらい人もいるでしょう。
しかし今の仕事に少しでも虚しさを感じるなら、「自分の仕事は、誰に届いているか?」と考えてみると、何かが見えてくるかもしれません。
お読みいただきありがとうございました☕️