企業の知名度で転職しない方がいい理由|後悔と教訓

転職

今回は、企業の「ブランド」や「知名度」だけで転職先を選んだ結果、とても後悔したことを私の実体験を通じてお話しします。

華やかに見える有名企業にも、思わぬ落とし穴がありました。

結論:企業のブランドだけで転職先を選んではいけない

転職先を選ぶ際、企業の知名度やブランドだけで判断することは危険です。

世間的に「良い会社」が、必ずしも自分にとっても良いとは限らないからです。

大切なのは、自分の価値観や働き方に合うかどうかです。

ブランド企業に潜むギャップと違和感

知名度のある大企業と前職とのギャップに悩まされた事例は、大きくは以下の3つです。

人間関係が希薄になりやすい

小さな会社で働いていた頃は、他の部署の人とも気軽に仕事の企画をしたり、雑談をしたり、飲みに行ったりするような関係性がありました。

しかし、社員数が数万人にものぼる大企業では、同じ部署の人とすらあまり深い話をする機会がありませんでした。

まるで、余計なことを言ってはいけないかのような、閉鎖的な空気感が漂っているように感じました。

トップダウン文化と縦割り構造

たとえ現状を改善するための良いアイデアを思いついたとしても、それを提案しても通ることはほとんどありません。

評価されるのは、上司からの指示を素直に聞き、正確に実行することです。

また、組織は非常に縦割りで、自分の担当以外の仕事には無関心になりがちです。組織全体の当事者意識が希薄になるのを感じました。何かを質問したいと思っても、だれに訊けばよいのかさえ分らないような状況でした。

劣等感を感じやすい環境

大企業には、一般的に優秀とされる人材が多く集まっています。私の周りにも、仕事ができる人ばかりでした。有名校出身者が多いのだろうと感じさせる雰囲気がありました。

三流大卒の私にとって「ここにいてはいけないのではないか」という劣等感に苛まれるようになりました。

当然のことながら、そのような状況では、自分が昇給したり昇格したりすることは、夢のまた夢のように感じました。

私は念願の企業の知名度とブランドを手に入れたわけですが、引き換えに得たのは、

・つまらないと感じる仕事
・満たされない人間関係
・原因不明の一時的な体調不良

でした。

私が体験した「ブランド転職」の現実

前職は社員数百人の中小企業。裁量もあり、部署を越えた交流も活発でした。仕事では一定度評価され、自分の存在意義も感じられていました。

しかし、長い間待遇や人事に不満があったことも否めず、業界最大手の企業からのオファーに飛びついてしまいました。年収は150万円アップ、福利厚生も申し分なく「これはもう人生勝ち組だ」と信じていました(今思えばお恥ずかしい話です)。

入社早々、その理想は崩れました。前述のように人間関係はドライで、提案も通らず、周囲のレベルの高さに萎縮。

「会社に行きたくない」と強く感じるようになったのは15年近く社会人をやってきてこの時初めてのことでした。

入社半年で「辞めよう」と決意し、静かに転職活動を始めました。

周囲の反応と自分の意思とのギャップ

周囲からは「もったいない」、「もう少し続けたら?」という声もありましたが、この違和感は本人にしか分かりません。自分に合わない環境で、ムリをしてまで働き続ける必要はないと思いました。

なぜこれほど「合わない」と感じたのかというと、それは転職を経験したことで、以前の会社との比較ができたからです。

もし私が新卒でこの大企業に入り、他の会社での働き方を知らなかったら、この状況が「普通」だと感じてしまい、特に違和感を抱くこともなかったかもしれません。

自分にとっての「当たり前」や「普通」を知るためにも、異なる環境を経験することには価値があると言えます。そして、その経験を通じて、自分にとって何が重要なのかを理解できたともいえます。

まとめ:ブランドよりも「自分に合う会社」を選ぶべき

私の失敗の原因は、「企業ブランドで選んだこと」に尽きます。例えが変かもしれませんが、見た目やスペックの高い異性と付き合えたとしても、合わなければ結婚に至らないし、結婚しても上手くいかないようなものです。

名の知れた会社は就職活動や転職市場で依然として高い人気を誇っています。しかし、私の経験から言いたいのは、企業のブランドだけで自分のキャリアを決めるべきではないということです。

大きなお世話ですが、特に優秀な方ほど、こうしたブランド企業の型にハマった働き方をするのは勿体ないとさえ感じます。

自分が心から「やりたいこと」は何なのかを深く掘り下げて考え、その「やりたいこと」を実現できる可能性のある会社を選ぶべきです。

あるいは、起業するなり、自分で事業を起こすなりして、自身のやりたいことを追求し、その可能性を広げていってほしいと思います。

最後に

これは私の個人的な経験をもとに綴っています。すべてのブランド企業が働きにくいわけではありませんし、大企業だからこその魅力や安心感も存在します。

ただ、「知名度=自分に合う会社」ではないということを、転職を考える際の一つの視点としてお伝えできたらうれしいです。

皆さまのキャリアが、後悔のない選択となることを願っています。

お読みいただきありがとうございました。

 

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